自ら環境を構築して執筆するブログ

Androidスマホで「ペナントシミュレーション」をプレイしたかった。(TigerVNC、openbox、java8)

ペナントシミュレーションという同人ゲームがあります。このゲームはwindows向けで頒布されていますが、javaで書かれているのでLinuxでも動きます。

今回、私は外出先等でこのゲームをandroidスマホで遊べないか試行錯誤しながら試みました。

前回、termuxでArch Linuxを動かした話の続きです。

記憶があやふやなところがあるのですが、手順としては以下の通りです。

  1. Xorg関係のパッケージのインストール
  2. openbox、xterm、日本語フォントのインストール及び設定
  3. TigerVNCのインストール、設定
  4. java8、ペナントシミュレーションのインストール
  5. android側でVNC viewerのインストール

Xorg関係のパッケージのインストール

pacmanでxorg-server、xorg-xinit等をインストールします。

openbox、xterm、日本語フォントのインストール及び設定

今回は最低限、Xが動く環境を構築します。だからデスクトップ環境(KDEなど)は入れずに、ウィンドウマネージャーopenboxのみの環境とします。X上でコマンドを実行するためにxtermを入れ、日本語メニューが豆腐にならないようにフォント(ここではttf-sazanami)を入れます。

openboxの設定はarchwikiにあるとおり、~/.config/openbox/rc.xmlを作成(/etc/xdg/openbox/からコピー)して、編集します。

xtermの設定は~/.Xresourcesで行います。最低限、以下のことくらいは設定したほうが良いでしょう。


XTerm*faceName          : 'Sazanami Gothic'
XTerm*faceSize          : 10
XTerm*scrollBar         : true
XTerm*rightScrollBar            : true

TigerVNCのインストール、設定

pacmanでtigervncというパッケージをインストールします。

インストールしたら、まずvncpasswdコマンドでパスワードを設定します。パスワードの情報は~.vnc/passwdファイルに保存されます。

そして、~.vnc/configという設定ファイルを作成します。ファイルでの設定例を以下に示します。


session=openbox
geometry=1600x900
depth=16

設定にあたっては注意すべき箇所があります。まずTigerVNCはデフォルトでは起動時にKDEセッションを開始しようとします。KDEが入っていないシステムではエラーになって止まります。だから、ファイル内でsessionを明示的に記入する必要があります。geometryについては、あまり小さい値にすると、ウィンドウが途中で切れた状態で表示されるおそれがあります。

java8、ペナントシミュレーションのインストール

pacmanでjdk8-openjdkをインストールします。インストールの際、依存パッケージとしてjre8-openjdk等がインストールされます。

ペナントシミュレーションについては、公式サイトからzip形式のファイルをダウンロードします。termux 上でtermux-setup-storageを実行してスマホのストレージにアクセスできるようであれば、~/storage/以下のディレクトリからzipファイルにアクセスできるはずです。

zipファイルの解凍にはunarコマンドを使用します。(unarchiverというパッケージに含まれています。)そうすればファイル名の文字コードがutf-8に直されます。

android側でVNC viewerのインストール

ここまできたら、termux 上でTigerVNCを起動させます。


vncsession root :1

android側では、Google playからVNC viewerをインストールします。

VNC viewerを起動させ、接続を追加します。

アドレスは127.0.0.1:5901で、パスワードはvncpasswdコマンドで設定したものです。

うまく接続できると、openboxセッションが始まります。右クリックメニューからxtermを開くことができます。

ここで、ペナントシミュレーションを解凍して生成した.jarファイルをxterm上で実行します(java -jarコマンドです)。今のところ日本語入力はできませんのでファイルの実行は注意が必要です。

あと、注意すべき点

  • 最初の起動時に初期データ作成がされますが、これには30分程度かかります。
  • 初期データ作成時、ワーキングディレクトリにpenanto3というディレクトリが新規に作成されます。既に同名のディレクトリがある場合、エラーになります。
  • 筆者のスマホはHuawei nova lite 3ですが少し非力で、反応に時間がかかります。それでも、それなりに遊べます。

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